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ふしきぞーとざっとさん

一度だけあの人の隠された場所を見たことがあった。

日が落ちると学園は昼間とは全く様子を変え、静まった暗闇に覆われる。
点々と灯る火がなければ今いる場所がどこなのかさえわからなくなってしまう。
一年生の頃、僕はそれがそれがどうしようもなく恐ろしくて、毎夜毎夜不安だった。
ある日、同室の者が急に帰省してしまい一人部屋に取り残されたことがあった。
ひとりであるということが更に不安を掻き立て、寝巻きに着替えて布団に入っても、裏山から聞こえてくる獣たちの声や風の音に身を震わせていた。
無意識であろうとすると余計に意識がはっきりと恐怖を捕らえる。

そんなときに咄嗟に浮かんだ顔があった。
保健委員会委員長の善法寺伊作先輩だった。
僕は一度深呼吸をして布団から出て、恐る恐る部屋の戸を開けた。

昼間なら気にもならない廊下の軋みや家鳴りがやけに響く。耳に手を当てて足早に長屋を抜けた。
伊作先輩が今晩は医務室にいるということを昼間の委員会で聞いていた為、まっすぐ医務室へ向かった。

医務室からはぼうっと光が漏れていた。伊作先輩はまだ起きているようでほっと胸を撫で下ろす。
戸の前に立つと聞き覚えのある声がふたつ耳に入った。
雑渡昆奈門さんと伊作先輩の声だった。
伊作先輩だけじゃなく、雑渡さんまでいるなんて、なんて運がいいんだ!と扉に手を掛けた。

「おや、伏木蔵じゃないか。どうしたんだい?」
「こんばんは」

ぼうっと二人を照らす火は、姿を曖昧に見せる。それでもなお見えてしまった。
普段は白い包帯で隠された肌はただれ、痛々しく、本来は肌の下にあるであろう紅が見えた。
僕の様子がおかしいことに気づいた伊作先輩は、困ったように笑って僕を手招いた。
先輩から少し離れて座りなおした雑渡さんには光が届かず、すっと紅が隠れた。
僕はそれがなんだか悲しくなって、恥ずかしくなって、手招きをする伊作先輩から視線を逸らし、一目散に雑渡さんに飛びついた。

「どうしたの」

雑渡さんの大きな掌が僕の丸い頭を撫でる。

「夜が、恐ろしいんです。何も見えません」
「眠れないんだね。一緒に寝ようか」

伊作先輩に手を引かれ、布団に横になる。また雑渡さんの紅が見えなくなった。
僕は横になりながら伊作先輩が雑渡さんに新しい包帯を巻いていく様子を眺めていた。

「見えなくていいものもたくさんあるよ」

雑渡さんが言った。
それでも僕はこの人の全てを見てみたいと思った。夜が恐ろしくなくなれば、また見えるのだろうか。

それから暫くして、伊作先輩は卒業した。
雑渡さんは学園には現れなくなった。
僕は夜が恐ろしくなくなったというのに。

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成長した伏木蔵×雑渡さんの序章的な・・・?あれ?
もうこのブログよくわかんなくなってきた・・・

どうでもいいけど「雑渡」って字をみると渡り廊下走り隊を勝手に連想しちゃってなんだかなー
渡しかあってない
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印子

Author:印子
szllに情熱をそそいでいます^^

最近はもっぱらJOGIOばっかです。
そしてテニミュにお熱です。


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